執行草舟の視線
2,420円(税220円)
佐藤芳直先生が、今読んで欲しい名著!
『未知よりの薔薇』著者
竹本忠雄先生最新刊は、
なんと「執行草舟」論!
「執行草舟さんの本を読まれた方
も多いでしょう。昭和を生きた哲学者の視点は、
その思いに共鳴しながら、草舟さんの思想へと
分け入っていきます。」佐藤芳直
竹本忠雄著
◆当店大人気!
『未知よりの薔薇』著者 竹本忠雄先生の最新刊は、
なんと執行草舟氏の人物像を書いた「執行草舟論」。
竹本忠雄先生にか書けない、驚きの内容で、
一足早く読ませていただいた、清水店長も
大絶賛の1冊です。
特に、執行草舟氏の本を愛読されている方には、
たまらない1冊になるので、広く皆さまにお読みいただきたい
本物名著です。
「霊性」をキーワードに、これからの時代を生き抜くための
人類的未来の予言が散りばめられた本になるので、
まさに今必読の1冊です!
執行草舟と私が出遭ったのは、わずか3年たらず前のことにすぎない。西暦2020年11月25日、憂国忌五十周年式典の壇上においてだった。三島由紀夫・森田必勝両烈士の遺影のもとで、私は斎主として祭文を奏上し、草舟は式典を飾る気迫の雄弁を振るった。席上、祭儀に先立って、隣り合って言葉を交わしただけで、これは「ただびと」ならずと直観した。火花が散り、以後、連星のように互いにぐるぐると回りながら引き合った。
見えない中心の引力とは何だったのであろう。これを知りたいと思い、追求したのが本書である。
〔中略〕
ここから浮かびあがってきた草舟像は、どのようなものであろうか。
それは、今の世に武士道を復活させることを自己の召命(invocation)と心得る一個の英雄像である。だが、それだけなら、他に類例もあろう。異とすべきは、武士道を「不幸の哲学」と解して、痛苦を、死を、避けるのではなく、あえて身肉にアシュメーした(assumer 引き受けた)生きかたである。人生の本質と虚無の関係を、宇宙生成と暗黒物質(ダーク・マター)の関係とパラレルと見て、 否(ひ)、否、否と深坑を穿った果てに光を見ようとする探索の烈しさをフォローしていくうちに、私の脳裡には、アンドレ・マルローがド・ゴール将軍を評して言った「ノンの人」という一語が聞こえてきた。「将軍は万人にノンと言ったーー万人にウイというために」と。
〔中略〕
歴史世界では受け容れられず、霊性世界でなければありえない事象がある。神話と同様に。合理でなく、ヴィジョン優先でなければ見えてこない次元といったものが明らかに存する。諸宗教が依って成り立つ基盤とした、そのような「見えない世界」は、19世紀以来、進歩主義と混同された科学的史観によって迷信として斥けられたが、20世紀前半から徐々に復活を見た。そして復活を促進したものは、もはや別の宗教ではなく、別の科学だった。量子力学的世界観は非常識を導入した。20世紀後半に日本から西洋に浸透した禅は、物と心を分けない非二分性(non dichotomy)の領域を「霊性」(spirituality)として啓示することにより、西洋文明にとって革命となった。ちなみに、この語をこの意味で創始したのは、巨匠鈴木大拙である。
---本書「太陽の聖痕 プレリュード」より
〈目次より〉
太陽の聖痕 プレリュード
序説
1 新しい神話
2 天使との闘い
3 起きあがるジザン
4 第一の奇蹟 城ヶ島(一九七八年)
5 第二の奇蹟 目黒不動尊(一九七九年)
6 宇宙的霊性と試練
7 破調ラプソディー
8 預言者の回廊
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まさに今必読の1冊です!
執行草舟と私が出遭ったのは、わずか3年たらず前のことにすぎない。西暦2020年11月25日、憂国忌五十周年式典の壇上においてだった。三島由紀夫・森田必勝両烈士の遺影のもとで、私は斎主として祭文を奏上し、草舟は式典を飾る気迫の雄弁を振るった。席上、祭儀に先立って、隣り合って言葉を交わしただけで、これは「ただびと」ならずと直観した。火花が散り、以後、連星のように互いにぐるぐると回りながら引き合った。
見えない中心の引力とは何だったのであろう。これを知りたいと思い、追求したのが本書である。
〔中略〕
ここから浮かびあがってきた草舟像は、どのようなものであろうか。
それは、今の世に武士道を復活させることを自己の召命(invocation)と心得る一個の英雄像である。だが、それだけなら、他に類例もあろう。異とすべきは、武士道を「不幸の哲学」と解して、痛苦を、死を、避けるのではなく、あえて身肉にアシュメーした(assumer 引き受けた)生きかたである。人生の本質と虚無の関係を、宇宙生成と暗黒物質(ダーク・マター)の関係とパラレルと見て、 否(ひ)、否、否と深坑を穿った果てに光を見ようとする探索の烈しさをフォローしていくうちに、私の脳裡には、アンドレ・マルローがド・ゴール将軍を評して言った「ノンの人」という一語が聞こえてきた。「将軍は万人にノンと言ったーー万人にウイというために」と。
〔中略〕
歴史世界では受け容れられず、霊性世界でなければありえない事象がある。神話と同様に。合理でなく、ヴィジョン優先でなければ見えてこない次元といったものが明らかに存する。諸宗教が依って成り立つ基盤とした、そのような「見えない世界」は、19世紀以来、進歩主義と混同された科学的史観によって迷信として斥けられたが、20世紀前半から徐々に復活を見た。そして復活を促進したものは、もはや別の宗教ではなく、別の科学だった。量子力学的世界観は非常識を導入した。20世紀後半に日本から西洋に浸透した禅は、物と心を分けない非二分性(non dichotomy)の領域を「霊性」(spirituality)として啓示することにより、西洋文明にとって革命となった。ちなみに、この語をこの意味で創始したのは、巨匠鈴木大拙である。
---本書「太陽の聖痕 プレリュード」より
〈目次より〉
太陽の聖痕 プレリュード
序説
1 新しい神話
2 天使との闘い
3 起きあがるジザン
4 第一の奇蹟 城ヶ島(一九七八年)
5 第二の奇蹟 目黒不動尊(一九七九年)
6 宇宙的霊性と試練
7 破調ラプソディー
8 預言者の回廊