ヒロシマの人々の物語---文明こそ戦争の元凶
572円(税52円)
ジョルジュ・バタイユ 酒井健著
◆ジョルジュ・バタイユによるヒロシマ論。
原子爆弾の人間的な意味は相手を
「恐怖によって強制することにある」。
だが投下された側は恐怖する間もなく
「突如おぞましさのなかへ突き落とされ」
「煙にあぶられた白蟻の巣」のような人知の
きかない世界をさまよわされた。
バタイユはハーシーの衝撃的なルポルタージュ
『ヒロシマ』(1946)をもとに被爆者たちの
動物的な体験を重視し「この不幸を生きよう」
と叫ぶ。
ついで人間的な意味を捉え直し、
文明こそ戦争の元凶とみなしていく。
同情や憐れみを「曖昧な感性」と厳しく
批判しながら、決然と感性を意識の極限へ
向かわせ、そこでまた
「動物的な苦悩の果てしない《不条理》」
に出会うのだが、そここそは「夜の核心」、
すなわち「毎年五千万の霊魂」を
地獄へ葬り去る世界の巨大な消費の光景なのである。
ヒロシマをさらに大きな濁流へ開かせながら、
バタイユは、戦争回避の普遍経済学を模索する。
原爆投下から一年半たたない1947年初頭に
『クリティック』誌に発表された、
《夜をさまよう人》バタイユの意欲的論文。
◆ジョルジュ・バタイユによるヒロシマ論。
原子爆弾の人間的な意味は相手を
「恐怖によって強制することにある」。
だが投下された側は恐怖する間もなく
「突如おぞましさのなかへ突き落とされ」
「煙にあぶられた白蟻の巣」のような人知の
きかない世界をさまよわされた。
バタイユはハーシーの衝撃的なルポルタージュ
『ヒロシマ』(1946)をもとに被爆者たちの
動物的な体験を重視し「この不幸を生きよう」
と叫ぶ。
ついで人間的な意味を捉え直し、
文明こそ戦争の元凶とみなしていく。
同情や憐れみを「曖昧な感性」と厳しく
批判しながら、決然と感性を意識の極限へ
向かわせ、そこでまた
「動物的な苦悩の果てしない《不条理》」
に出会うのだが、そここそは「夜の核心」、
すなわち「毎年五千万の霊魂」を
地獄へ葬り去る世界の巨大な消費の光景なのである。
ヒロシマをさらに大きな濁流へ開かせながら、
バタイユは、戦争回避の普遍経済学を模索する。
原爆投下から一年半たたない1947年初頭に
『クリティック』誌に発表された、
《夜をさまよう人》バタイユの意欲的論文。