子どもの心に光を灯す日本の偉人の物語
1,650円(税150円)
白駒妃登美著
年々、私が小中学校で歴史の授業や講演をさせていただく機会が増えています。
そして、そのたびに「歴史の勉強は、年号と出来事を暗記すること」と思い込んでいる子どもたちが多いことに、愕然(がくぜん)とします。 確かに年代や出来事を押さえ、歴史の流れをつかむことは大切ですが、それは、歴史を学ぶスタートラインにすぎません。歴史は英語で「ヒストリー=his story」、つまり先人たちの紡いだ物語が歴史なのです。その歴史を学ぶということは、歴史上の出来事 をたどりながら、それぞれの時代に生きた人々の思いを紐(ひも)解(と)き、それに寄り添い、彼らが未来を生きる私たちにどんな思いを託したのか、その先人たちからのメッセージを受け取ることなのではないでしょうか。
この歴史を学ぶ楽しさを、子どもたちにも味わってほしい、そんな思いを込めて、本書を書かせていただきました。 幼い頃から伝記を読んで育ち、歴史上の人物をまるで友だちのように思ってきた私の授業は、完全な「友だち自慢」なんです(笑)。
でも、そうやって、先人の生きざまにスポットを当てて授業を進めていくと、子どもたちは瞳をキラキラ輝かせながら、身を乗り出すようにして、私の話に聞き入ってくれます。 きっと子どもたちは、先人たちの生きざまが積み重なって歴史となり、今に繋(つな)がっていることを、さらに先人たちが育(はぐく)んだ 美徳や先人たちが胸に抱いた思いが、自分たちにも息づいていることを、その豊かな感性で感じとっているのでしょう。
子どもたちが豊かな感性で歴史をとらえることで、自分自身の可能性に気づく、すると、そこに希望が生まれ、自尊心や使命感が育っていく、その自尊心や使命感が太くて安定した根っことなり、そこから生きる力がみなぎる……そんな子どもたちのたくましい姿に触れるたびに、私の胸は、未来への希望でいっぱいになるのです。 まえがきより
白駒さんは今も、なにかあるたびに歴史上の人物から励ましや勇気をもらっています。